第二製造部(仕上課)

SECOND PRODUCTION

第二製造部

金型の品質・精度を確認し、完成度に磨きをかける仕上げ部門。

第二製造部は、第一製造部で加工を終えた部品を組み付けし、お客様に納入するための完成品を作り上げる部署です。技術部で理想の金型を立体図に起こし、それを第一製造部が加工、そして、最後に第二製造部が金型へと組み上げ、品質・精度を最終チェックし、その完成度に磨きをかけていきます。

山口精機工業では、「基本に忠実がモノづくりの根底にある」をスローガンに掲げ、「確かな金型製造を通じてお客様のニーズに応える」という企業姿勢を貫いています。この企業の姿勢を最も象徴しているのが、金型の仕上げを担う第二製造部です。「射出成形機」を用いて実際に製品を試作し、収集したデータを基に、誤差を修正し、より高精度な金型を造り込んでいきます。

仕上課

高みを追い求め、1000分の1ミリの世界に挑み続ける「匠の世界」。

製品を試作し、細部の誤差を修正する作業は、時として1000分の1ミリへの過酷な挑戦となり、ミクロ単位でしのぎを削る、「人」と「技術」と「設備」の総力を結集したものづくり工程となります。こうして、あらゆるノウハウを駆使し、一つひとつの金型を慎重かつ丁寧に見直す配慮が、「基本に忠実に」という思想につながり、そして、弊社が生み出す「高品質・高精度」の金型として結実することになります。

金型の仕上げ作業は、手作業で行われるところもあり、長年の経験と勘が頼りになる「匠の世界」です。ただ、これからの時代を見据えた時、この技術をデータに置き換え、個人の力量ではなく組織として活かしていくことも大切です。いかに技術を継承し、後世に「匠の技」をつないでいくのか。私たちは、次代の金型を担うための組織づくりにも力を入れていく考えです。

第二製造部

納品までの流れ

  1. 1

    仕上工程

  2. 2

    組付工程

  3. 3

    スリ合せ工程

  4. 4

    最終段階でのトライ工程

自工程完結で品質を作り込むことで満足いただける金型が生まれる

前工程で加工を終えた数々の部品の合わせ、組付けなどを匠の技で0.01mm台という高精度を追求し、一型一型気持ちを込めて金型を仕上げています。

組み上げられた金型
[可動型(コア)]

ダイスポッティングプレス
[固定型(キャビティ)と可動型(コア)の合せ加工]

成形トライ
[形機取付金型の総重量28トン]

組立レーン

第二製造部は6班にて構成され、80トンクラス~3500トンクラスの金型の合わせ、手入れ、組付をリーダーの指示に基づき確実な仕事を行っています。

第1レーン:1t〜2.8t

第2レーン: 2.8t〜15t

第3レーン: 2.8t〜15t

第4レーン: 2.8t〜15t

第5レーン: 10t〜30t

第6レーン: 10t〜30t

磨きエリア

五感が0.001mmを生む
0.001mmの仕上り品質でお客様の五感を満たす

クレーン設備

天井走行クレーン

親子クレーン

ジブクレーン

30トン/15トン 4基
20トン/10トン 1基
15トン/10トン 2基
10トン/5トン 3基
10トン 2基
5トン 1基
2.8トン 4基
1トン 2基

クレーン待ち停滞時間0にて効率アップを図っています。

ダイスポッティングプレス

設備 メーカー サイズ・仕様 台数
ダイスポッティングプレス アミノ 型締圧力500t 2
アミノ 型締圧力400t 1
オギハラ 型締圧力300t 1
アサイ 型締圧力200t 1

射出成形機

設備 メーカー サイズ・仕様 台数
射出成形機 三菱 型締圧力3500t 1
三菱 型締圧力1600t 1
三菱 型締圧力850t 1
三菱 型締圧力290t 1

第二製造部 取り組み内容

高周波3次元焼入れ機 キャビのPL面ダレ防止

キャビ面のPL面ダレ防止のため、必要に応じ焼き入れを実施。

電気炉

キャビ面の溶接に関しては温度管理が最重点であり、弊社では溶接条件に最大の注意を払い実施しています。

①溶接条件
  1. 加熱炉昇温、放熱に付いては1H毎に20℃とする。
  2. 昇温後の保持に付いては280℃以上とし5Hを基本とする。
  3. 溶接後の保持に付いては350℃以上とし5Hを基本とする。
  4. 放熱に付いては150℃までは加熱炉内での除冷を基本とする。
②検査項目
  1. 浸透試験による深傷チェック
  2. 溶接部及び周辺部位の硬度チェック
  3. 溶接部ミガキ後の光沢検査

1500W×1500H×2500L(重量10トン)の容量により大型バンパー型の昇温可能

台車式電気炉(550℃まで昇温可能)

成形時におけるPL開き・型内圧量の見える化

弊社成型トライにおいては、型開き量を監視するための変位センサーの取付けを推奨しており、トライ時に型開き量の測定を実施、またご要望により成型時の型内圧力量の測定も可能になっており、弊社成型トライにて量産に適した成型条件が出せるよう環境を整えています。

細部溶接の強化

弊社では、2015年より本格的に精密溶接機を導入して従来のTig溶接で不可能だった細部溶接(低温溶接)が可能となりました。
他社には無い技術力でお客様のニーズに応えられるよう、日々努力しています。

精密溶接機 4台所有
三和商工 SW-V02 1台
SW-V01 2台
SW-9800 1台
目的

外注での溶接に依存していたためにリードタイムやコストが掛っていましたが、精密溶接を内製化することにより大幅なリードタイムの削減又コストの低減に繋がっています。

資格制度

作業には経験とノウハウが必要なため、資格制度を設けることで作業者による品質のバラツキを無くし、安定した品質で溶接作業を行っています。

メリット
  • 溶接を最小限で行うことによるリードタイムの短縮。
  • 熱による金型への影響を最小限に抑える事が出来るため、シボ面や意匠面への溶接や修理が容易になりました。
  • 軽さを生かし、現地での修理作業が可能となり最短で生産に復旧することが出来ます。
  • 修正困難だったクラックやピンホール、また、スピーカー入子のピン折れ等の修理も容易になりました。